蘑菇传媒

大学案内

学校の统廃合から漫画まで、身近な题材で社会问题を考える「シティズンシップ教育」を研究。

※掲载内容(役职名,学年など)は取材时のものです。(现在と内容が异なる场合があります。)

01.png

理想论ではなく现実的な学びで、自ら社会に参加する主権者を育成。

 市民性(シティズンシップ)教育とは、少し丁寧に言うと、「皆で创り上げる民主主义社会において、社会や政治をしっかり考え自ら参画する市民=主権者を育成すること」です。本来の社会科教育の在り方とも言えます。

 日本の社会科教育の问题点は、议会制度などの知识や「投票で社会は変わる」といった理想论を教えることに留まる场合が多い点にあります。知识だけなら専门家の论文を検索して読む方が、はるかに多くを学べます。また高校生にもなれば、派阀や政党といった政策集団を形成することで社会を动かす场合が多いことも知っています。目の前の现実と违う理想ばかり教えられても、学ぶモチベーションは高まりません。现実における问题点を见出し、解决に向けて自分で考えられるような教育が必要とされているのです。

03.png
 学生有志でつくった「岐阜県若者の选挙意识を高める会」が「岐阜県知事
 选マニフェスト分析」に取り组み、医疗や経済、环境、教育など8つの项
 目を10段阶で评価。政治に対する热意や创造力、公约の実现可能性などを
 话し合った。

 私が研究しているシティズンシップ教育の手法は、リアルな题材を通じて社会を批判的?分析的に考えようというものです。大别して、二つの取り组みを行っています。

 一つ目が「学校と社会をつなぐ実践」として平成28年から毎年実施している「Discuss Our Society」。例えば、校舎の老朽化と少子化に伴う学校統廃合の問題を中学生が議論して、彼らなりの政策を立案。招いた政治家と互いに真正面から意見をぶつけ合うものです。もう一つの取り組みは、漫画や音楽、映画などに隠れた社会問題を議論する「サブカルチャーを用いた授業」です。「自由とは何か?」から、民主主義、ジェンダー、アイデンティティなどをテーマにしています。小学生にいきなり「本当の自由について考えてみよう」と言ってもピンときませんが、人気漫画の主人公を題材にすると「わがこと」として考えられ、活発な議論が起こるためです。

実践テーマと内容

「ヒップホップを通して国际地理を探究する」
世界の场所に関わる自然?人文地理的特徴を理解する
[教材:dj honda、DMX、アリーシャ、ジェット?リー、
 スヌープ?ドッグ「叠别补耻迟颈蹿耻濒」]
「ラベリングを疑う
  -『トリセツ』を用いた自己认识の批判的検讨」

社会に対する多様な见方?考え方を育成
[教材:西野カナ「トリセツ」、础碍叠48「目撃者」、
 さだまさし「関白宣言」]
「社会科を科学する!
 理想の社会をデザインし、政治家へ提案してみよう!」

现実社会の分析をすることで论理的思考力を锻える
[実践:政治家と论争]

 社会问题に正解はありません。私も策定に携わった平成29?30年改订の新しい学习指导要领では、一つの问题を复数の视点で见る大切さを提示しています。学校で学べることはごくわずかですが、そこで一度でも社会を批判的に见る経験をしておけば、后の长い人生においても継続的に社会を「わがこと」として考え、互いに议论できるための下地となるでしょう。学校教育と连携してそのようなきっかけを、子どもたちの意欲や理解度に合わせて伝えたいと思っています。そのために、私の研究は教育方法を理论化するだけで终わりではなく、岐阜県内外の学校での実践を行っています。例えば、小学校教员の元ゼミ生の一人は、廊下を走った生徒を别の先生が叱る光景を见て、「なぜ廊下を走ってはいけないか?」をホームルームで话し合わせるなど、日常的な教育の场に议论を取り入れています。

 生徒たちが运动を起こして不条理な校则を覆した高校の例のように、社会问题とは、谁かが声を上げて初めて问题となるもの。本来の民主主义社会では全员の议论によって决めるべきところを、密室で决められているルールがいくらでもあります。子どもたちには、そういった事実に目を向けられるようになってほしいと思います。


「わがこと」として考えられれば、もっと寛容で生きやすい社会に。

02.png

 私は子ども时代、学校の授业が嫌いでした。特に中学生になると教员が教える「正解」を疑い、そのような教育を変えたいと社会科教员を志しましたが、大学院生时代の研究に魅せられ、现在の道に进みました。当时、関心を持ったテーマの一つが、「カルチュラル?スタディーズ」。文化の中でも伝统的なものではなく、サブカルチャーと呼ばれる音楽や漫画、映画に隠された思想や価値観を分析する研究分野です。もう一つ、アメリカの社会科教育も兴味深い分野でした。ヒップホップの歌词として広まった中学生の妊娠问题を授业で话し合うなど、身近な文化に潜むリアルな问题を、当时からすでに教育现场で取り入れていたのです。こうした関心が、现在の研究へとつながっています。

 今後の目標は、子どものモチベーションをより喚起する学びのあり方を研究すること。その手段の一つとして、「Discuss Our Society」や「サブカルチャーを用いた授業」をより多くの学校で実践し、子ども?学校?社会をつなげていく学びを考えたいと思います。また、設立したベンチャー企業を通じてオーダーメイドのカリキュラム作成も行うなど、現実的な学びを推進します。

 私は「社会を皆で创り出す」という言叶を大切にしています。诸外国では国民が政治をきちんと引き受けて「わがこと」として考え、政府を信頼し、政策への賛否があれば赏賛やデモの形で意思表示します。一方、政府に丸投げする「おまかせ民主主义」の日本は、政治不信が根底にあり、问题が起きるたび批判と怒りの声ばかり巻き起こります。谁もがまず「自分ならどうするのか?」と考えられるようになれば、现在の不寛容な社会から、信頼を基盘としたもっと柔らかく生きやすい社会へと変わるのではないかと思います。