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令和7年度 第74回岐阜大学学位記授与式 学長告辞

20250325-11.jpg  本日、ここに第74回岐阜大学学位记授与式を挙行できますことを、大変うれしく思います。
 学部卒业生の皆さん、诚におめでとうございます。また、これまで热心にご指导いただきました教职员の皆さん、そして学生生活を温かく支えてこられました保护者の皆様に、心よりお祝いと感谢を申し上げます。
 本日、本学を巣立つ卒业生?修了生は、学部学生1,260名、大学院学生606名、合计1,866名です。

 皆さんが岐阜大学で過ごされた日々は、単に知識や技能を修得するだけの時間ではなかったはずです。友人との出会い、専門分野への挑戦、课外活动やアルバイトとの両立、そして新型コロナウイルス感染症という未曽有の困難の中にあっても学びを続けた経験――その一つひとつが、皆さんを大きく成長させました。成功も、失敗も、すべてが皆さんにとって、かけがえのない学びとして、確かに刻まれていることと思います。
 この数年间、社会はかつてない速さで変化してきました。生成础滨の急速な普及、気候変动问题の深刻化、国际情势の不安定化など、いずれも私たちの生活と将来に大きく影响を及ぼす课题です。このような时代において、皆さんが身につけた「学び続ける力」「変化に柔软に向き合う姿势」「多様な価値観を尊重する态度」は、これまで以上に重要な意味を持ちます。皆さんが本学で培ってきた力を存分に発挥し、前途洋々たる未来へと歩みを进められることを、私は确信しております。
 また、教职员一同も、新しい教育?研究の在り方を模索しながら、皆さんの学びを支えてまいりました。学生の皆さん、保护者の皆様、そして教职员の努力と协働に対し、ここに深い敬意を表したいと思います。
 さて、岐阜大学の歴史を振り返りますと、その源流は1873年に創設された岐阜師範学校に遡り、実に150年余りの歴史を有しております。2020年4月には、名古屋大学との法人統合により东海国立大学机构が設立され、本日の学位記授与式は、その下で6度目の開催となります。

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 本学は、东海国立大学机构が掲げる「Make New Standards for the Public」というミッションを共有し、「学び、究め、貢献する」という理念のもと、「地域共創、特色ある研究、イノベーション、教育を戦略的に推進し、地域と人類の課題解決に貢献する『地域活性化の中核拠点』となる」ことをビジョンとして掲げ、着実に歩みを進めてまいりました。

 その成果として、Times Higher Educationが実施する、「世界大学ランキング」では、2019年以降、大きく順位を伸ばし、また、成果に基づく運営費交付金の配分においてもトップレベルとなっています。教育?研究?社会貢献の各分野において、本学の取り組みは高く評価されており、これらは皆さんが学ばれた環境が確かな発展を遂げている証左でもあります。
 研究面では、糖鎖生命科学分野における国際的評価の高い成果、医学?薬学?獣医学が連携するOne Medicine研究の進展、航空宇宙分野における産学連携コンソーシアムの形成、さらには水素エネルギーやCO?リサイクルなど環境?エネルギー分野での国家プロジェクトの採択など、地球規模の課題解決に貢献する研究が着実に成果を上げています。

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 教育面においても改革が进展しました。教育学部における教员养成改革、社会システム経営学院の新设、工学部での情报系人材育成の强化、応用生物科学部の改组など、次世代を担う人材育成に向けて大きな前进を遂げました。
 地域连携の面でも、地域连携推进本部の设置や経営者の会の発足、岐阜県との连携强化などを通じ、大学と地域社会が共に未来を创るための基盘が整いつつあります。国际面でも、ジョイント?ディグリーの展开や国际教育コンソーシアムの构筑を通じて、教育?研究のグローバル化を积极的に推进してきました。
 现在、本学は「共创型社会実装大学」という新たな大学モデルへの挑戦を进めています。多様な分野を横断し、社会课题の解决と新たな価値创出を目指すこの取り组みにおいて、皆さんは、その変革期をともに歩み、大学の新しい姿を形づくってきた大変重要な存在です。
 さて、本日ここに学位を授与され、新たな一歩を踏み出される皆さんに、学长として、お伝えしておきたいことがあります。それは、「自らの未来を、恐れることなく选び取り続けてほしい」ということです。皆さんがこれから身を置く社会は、决して平坦ではありません。しかし、困难や迷い、壁に直面する経験は、皆さんをより深く锻え、成长へと导く贵重な机会でもあります。岐阜大学で培われた学びと経験は、必ずや皆さんの揺るぎない支えとなり、进むべき道を照らし続けてくれるものと确信しています。
 ここで、小生个人の経験をひとつお话しさせていただきます。私自身、癌治疗の専门医として、胃癌治疗における新たな治疗法の开発に携わってまいりました。现在では、その治疗がガイドラインに収载され、临床の现场で実际に用いられるまでに至っています。しかし、その成果に至る道のりは、决して容易なものではありませんでした。仮説の构筑、基础研究による検証、さらには国际临床试験への展开――その一连の过程において、几度となく想定外の障壁に直面し、计画の修正や再考を余仪なくされたこともありました。研究が思うように进まず、立ち止まらざるを得なかった时期も决して少なくありません。それでも试行错误を重ね、开発に着手してから実に二十年もの歳月を経て、ようやくひとつの成果に辿り着くことができました。
 私がこの経験から得たものは、失败とは终点ではなく、次なる前进へと导く重要な示唆であり、粘り强く挑戦を続ける者にのみ开かれる学びであるということです。この経験と関连して、私が大切にしている言叶をひとつ绍介いたします。
 「教育とは、早く整った『小さな完成品』をつくることではなく、将来にわたって成长し続ける『大きな器をもった未完成品』を育てることにこそ意味がある。」
 この言葉は、愛知県出身の哲学者?教育者で国民教育の師父として知られた、森 信三 先生の思想に基づくものとして広く知られており、教育の本質を鋭く示すものと受け止められています。社会に出ると、周囲と自らを比較し、早く成果を示さねばならないと感じる場面もあるでしょう。しかし、人生において本当に大切なのは、早く小さく完成してしまうことではありません。失敗や迷いを受け止めながらも、学び続け、変化し続けることのできる「器」を育てていく姿勢にあります。皆さんは、本日をもって完成した存在となるのではありません。
 むしろ、これからの长い人生において、自らを育て続けていくための确かな基盘を身につけ、この场を巣立っていかれるのであります。

 结びにあたり、皆さんがこれから元気にご活跃される姿を拝见できることが、私どもにとって何よりの喜びであります。そして、本学で培った叡智を胸に、志を高く掲げ、母校を夸りに思っていただけることを愿っております。また、岐阜大学で筑いてこられた人间関係や连携を大切にし、国内外で活跃できる人材へと成长されることを期待しています。
 さらに、机会があれば、皆さんと一绪に仕事ができる日を心より楽しみにしております。

 以上をもちまして、本日の学位记授与式の告辞といたします。
 本日は、诚におめでとうございます。

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令和8年3月25日

国立大学法人 东海国立大学机构
岐阜大学长 吉田和弘