令和7年度岐阜大学大学院入学式 学长告辞
岐阜大学大学院へのご入学おめでとうございます。
春烂漫の今日の良き日に、岐阜大学に入学された学部生1333名、大学院651名の皆様に心からお祝い申し上げます。新しく岐阜大学の仲间になった新入生の皆さんに、全学を代表して心から歓迎の意を表します。
皆さんは、まさにコロナ祸の中で大学生活が始まり、その苦境を乗り越え、地球温暖化や国际纷争勃発などの世界的、歴史的な逆境の中で、レジリエンスを身につけた経験を生かし、そしてさらに大学院进学という高い志を贯かれましたこと、心から敬服する次第です。そして、これまで皆さんを支えてくださった、ご家族、先生そして関係者の皆様にも心からお祝いと敬意を表したいと思います。
岐阜大学では、本年度から新たに修士课程である社会システム経営学院の设置を行い、5つの修士课程、2つの博士课程に加え、岐阜大学を基干校とする2つの连合大学院博士课程、1つの共同大学院博士课程があります。大学院教育の机能强化のため、修士课程である自然科学技术研究科が创设され、工学、応用生物科学を融合し、とくにデザイン思考教育を付加価値とする课程であり、岐阜大学の教育で中核を形成する一つです。教职大学院、共同獣医学研究科、さらに连合教职大学院博士课程も合わせ、大学院教育の特徴ある强化が急速に进んでいます。
本日は岐阜薬科大学と构成される连合创薬医疗情报研究科入学の皆さん、静冈大学と构成される连合农学研究科入学の皆さんが、教职大学院入学の社会人の皆さんとともに出席されています。
また、东海国立大学机构の松尾清一(まつお せいいち)機構長と連合創薬医療情報研究科の構成大学である岐阜薬科大学長の 原英彰(はら ひであき)先生もお祝いに駆けつけてくださいました。ありがとうございます。
本年度も大学院と学部の2部构成で、さらに学部入学生を対象に、ウエルカムセレモニーを行うことといたしました。
さて、皆さんを取り巻くこれからの社会は、情报を基盘としてビッグデータや础滨、ロボット、滨辞罢が社会の重要な役割を担う超スマート社会が大きく进展していきます。多様な人材が自分の所属する组织を越えて协働し、新たな知を创出して、社会的価値の顕在化を図る、この好循环を実现することが私たちの目指すところです。
これらの状況を背景に、岐阜大学と名古屋大学は2020年(令和2年)4月から法人を統合し、国立大学法人东海国立大学机构として両大学が連携して新たな時代の先駆けとして、教育研究等活動に取りくんでいます。「Make New Standards for The Public ― 知とイノベーションのコモンズとして、常に国立大学の新たな形を追求し、地域と人類社会の進歩に貢献し続けることを、存在意義とする」との東海機構のミッションを踏まえつつ、岐阜大学は地域に軸足を置き、日本トップクラスの地域の中核大学を目指して「学び、究め、貢献する」人材を輩出するとともに、自治体や企業と連携し、地域の課題解決に具体的に貢献するイノベーションを起こしていくことを使命としています。
「産業?まちづくり」、「ものづくり」、「食づくり」、「医療づくり」、「人づくり」の分野でステークホルダーとの共創のもと、地域社会への教育?研究?社会貢献などから生まれる成果が地域を変えていくこの好循環を、「ぎふのミ?ラ?イ?エ构想」(Migration, Laboratory, Innovation, Education)と名づけ、岐阜大学の価値創造のモデルとして位置づけ発展してきました。「地域と世界に開かれ、愛される岐阜大学、持続可能な研究大学」への発展を目指しています。
东海国立大学机构となって、教育?人材育成 学部学生の共通教育において、数理?データサイエンス?AI教育、英語教育などを名古屋大学と連携して単位互換制度や連携開設科目として開講することができました。さらに博士課程の学生を対象に学費免除や生活費研究費の支援が始まったことは大きな成果です。従って、大学院修士課程の皆さんの更なるキャリアパスとしても大学院博士課程への進学も魅力的な選択肢の1つです。また学生自らが目標とする学修レベルに対する達成で状況を自己評価できる学生ステータスシステムの運用を開始しました。教育成果、学修成果を可視化する取り組みを先進的に行っております。
「ぎふ地域创発人材育成プログラム」(厂笔础搁颁)事业では、2024年3月に、大学等连携推进法人として认定を受け、中部学院大学、岐阜市立女子短期大学とともに连携开设科目を开讲できるようになり、大学间连携による教育改革を推进しています。今后さらに参加校が増えることが期待されます。
また、岐阜大学では、おおくの外国人留学生や研究者がキャンパス生活を送っています。岐阜大学が学术交流协定を缔结した大学は欧米からアジア、オセアニアまで50大学ありますし、海外での研修を支援する制度もあります。また、协定校のインド工科大学グワハティ校(滨滨罢骋)およびマレーシア国民大学(鲍碍惭)と协働して、ジョイント?ディグリープログラムとして4つの国际连携専攻を开设しています。
これからの日本は一层のグローバル化が求められていますが、そのためには双方向の交流が必须です。岐阜大学を足场に、ぜひグローバルな経験を积んでいただきたいと思います。
研究面では、社会課題?人類課題の解決に貢献し得る有望なテーマとして、「ライフサイエンス」、「ものづくり」、「環境?エネルギー」の3つの分野に特に力を注いでいます。糖鎖生命コア研究拠点(iG-CORE)、One Medicine創薬シーズ開発?育成研究教育拠点、航空宇宙研究教育拠点、健康医療ライフデザイン統合研究教育拠点、低温プラズマ総合科学研究拠点、量子フロンティア産業創出拠点など6つの拠点が、岐阜大学と名古屋大学の強みを集結した东海国立大学机构連携拠点支援事業として、発展を目指しています。
2024年5月には糖鎖研究の新たな拠点となる岐阜研究棟が竣工し、世界トップレベルの研究が展開されています。また産学連携のシンボルとして、2024年2月に開所した地域の産学連携オープンイノベーション拠点「Tokai Open Innovation Complex 岐阜サイト」において新たなイノベーション創出に取り組んでいます。アントレプレナーシップ教育では、岐阜大学公認の起業部の学生がビジネスコンテストなどで2024年までに文部科学大臣賞をはじめいくつもの賞を受賞するなど実績を重ねています。
また、これまで岐阜薬科大学と岐阜大学は密接に连携、共同研究等を进めてまいりました。本年度から法人化された岐阜薬科大学のキャンパスの全面移転も计画されており、これにより、岐阜大学との连携が一层强化され、医学と薬学のみならず、獣医学、农学、工学との协力が深まり、多职种连携教育の充実がさらに期待されます。今后も両大学の连携を加速し、地域の発展に贡献する取り组みを进めてまいります。
さらに、东海环状自动车道の岐阜インターが开通し、地域の交通利便性が大幅に向上するでしょう。これにより、黒野地区は学术?研究拠点、ライフサイエンスやものづくりの拠点として、地域社会全体の発展に大きく寄与するものと确信しております。
我が国や今后のアジア诸国では、少子高齢化が益々进みます。世界情势や世界规模での物価高腾などの影响により、依然として厳しい状况が続くでしょう。我が国が国际社会でさらに活跃し世界をリードし、谁もが安心して豊かに暮らせる社会を実现するためには、科学技术?イノベーションの力で行うことが不可欠です。それには、社会からの要请を意识した研究や社会実装を目指し、大学などアカデミアと自治体や产业界との连携をさらに强化する必要があります。岐阜大学も「世界屈指の共创型社会実装大学」として、さらに発展する覚悟です。大学院生として研究を始めるに当たって、まずは与えられた课题研究を究めることと、さらにそこから生み出されるソーシャルインパクトをいかに作り出すのかという目线での研究を是非とも进めるよう努力してください。
庆应义塾大学を创设した福沢諭吉先生の言叶に、「学者たるもの国家の奴雁(どがん)となれ」ということばがございます。水鸟としてよく知られている「雁(がん)」というものは多くの群れで行动します。そして、羽を休めて広い湿地帯でえさをついばみます。多くの仲间の中でただ1羽だけは、首を长くして常に周りを见回し、警戒し、天敌から群れを守るべく、役割を果たすものがいます。
皆さんは、岐阜大学で学び、奴雁(どがん)のように、他とは異なった見方、姿勢、注意深く、他の人たちの先見の明、将来を照らす目となって我が国の未来を担う人材として、活躍してもらいたいと思います。
大学院へ進学される皆さんは、是非とも「高い人徳と総合知」を身につけた上で、次の時代の「先導者」として育ってください。私どもも精一杯その支援をさせて頂きます。
それでは本日から皆さん一人一人にとりまして実り多いキャンパス生活が送れますよう心からお祈りして、学长の告辞とさせていただきます。
令和7年(2025年)4月7日
岐阜大学长 吉田和弘